北海道のクマです

   カゼで声がガラガラ!!ミニ一代おじさん

      大いにに吠えるコラム

  3・ショップのオヤジが楽しまなくちゃね

第4回ジャパン・ミニ・ディで手をはらし、声をからした河西さんは

人間は感動するクマである、という名言を残した

感涙にヒゲも濡れた北海道のクマおじさんが熱い胸の内を語る

異色のコラム第3回は、ミニショップはどう在るべきかを考えた。

とにかく、ジャパン・ミニ・ディだ。オレはとっても感動したんだよ。

クマのオレがいうのも変だが、感動って人間に与えられた

最高の感情だよね。ミニ好き同士がひとっ所に集まって繰り広げた

イベント。サーキット走行やタイムトライアル、それからショップ村。

どのプログラムも楽しかったと思うんだ。

あの日、オレはホームストレートのメインポストにいたんだけど、

チェッカーフラッグを振ると助手席の女の子が手を振り返して

くれたんだな。通常のレースだったら絶対に考えられないシーンだよね。

うれしくなっちゃってね、旗を振りつつ片方の手をぐるぐる回して、

そんなミニ乗りたちに必死で応えたよ。クマがウォーウォー叫んでたからね、

遠吠えが耳に届いた人もいたんじゃないかな。

それだけじゃないんだ。フィナーレーミーティングが終わって、

オフィシャルの面々が手持ちのフラッグでサーキットを後にする

ミニを送り出してるとき、盛り上がってたオレは思わずコースに

飛び出した。退場を待ってる人に今日の感想を尋ねたら、

本当に楽しかったと答えてくれたんだ。がっちり握手したね。

そうしたら順々に流れてくるミニから次々と手が伸びてくるじゃないか。

どのくらいの人たちと握手したか覚えていないよ。すべてのミニが

サーキットからいなくなったら、手のひらが赤くはれて、ノドが

ガラガラだった。瞳をうるませてありがとうと言ってくれた

ミニ乗りが何人もいた。クマの目頭も熱くなったよ。

ミニって、何なんだろうね。一瞬にして感動を分かち合えるんだよ。

こんな素晴らしいクルマ、他に在る分けない。そして、そんなミニが

好きな仲間たち。この日スズカに集まったすべての人にお礼を言いたい。

それから、前日から駆けつけ、当日は朝の3時から夜まで働き続け、

イベントを大いに盛り上げてくれたオフィシャルの皆さん。

本当にご苦労様。あなたたちがいて、このイベントが成り立ちました。

クマを感動させてくれてありがとう。

好き勝手なことを書いちゃってゴメンね。今回のコラムにもちゃんとした

お題があるんだ。いつも難しいテーマを投げかけてくるT村氏の依頼は、

「これからのミニショップの在り方」だそうだ。編集者ってのは、

よくもまあ難解なことを平気な顔で言い放つよな。感心するよ。

まったく。例によってクマの個人的な考えを書くことにしょう。

ミニショップの在り方。そうだな。まずはオレの反省から入っていこうかな。

15年くらい前までのオレは、えらくつっ張っていたんだよ。常連客じゃ

ない限り、いらっしゃいなんて言ったことがなかった。一見さん

お断りってやつだ。それだけじゃない。お客が無断で工場に入って

きたりすると、何しに来たとばかりニラミ返していた。紹介がなければ

客扱いしない。今から考えたら、ただの乱暴者だよね。バカげちゃいたが、

当時のオレは、それが英国車をいじる者のプライドだと思っていた。

無口、不愛想、偏屈が英国車好きの誇りであると錯覚してたんだ。

きっと当時のお客は、オレが怖かっただろうね。いやぁ恥ずかしい。

顔が赤くなっちゃう。クマ穴があったら3回は冬ごもりしたいくらい

恥ずかしい話だ。もちろん今は違うよ。カミさんに懇々とお客商売に

ついて説教されてから変わったんだ。もう大丈夫。ゴツい顔は

相変わらずだけど、目は優しいよ。若い女の子にだって、けっこう人気

あるんだから。なんて言ったりして、クマおじさんまたしても照れる。

余談はさて置き、最近ミニオーナーがミニショップ離れを起こしていると

よく聞くが、その理由は何なのか、オレなりに分析してみた。第一に、

近頃は商売を優先しすぎて、ショップそのものに夢がなくなってしまったんじゃないか。

その結果、お客は興味を失ってしまった。急場のこしらえで安売りを

しても、それはただの一時しのぎなんじゃないだろうか。何はなくてもholtukaidouno

忘れちゃいけないのはハートなんだよね。お客が悩んでいるときは

真剣に対応するべきだし、また、いかに楽しくミニに乗せてあげられるかが、

ミニショップの使命なんだと思う。お客が期待しているのはそこだろう。

まずはね、ショップのオヤジがミニに乗って楽しく遊ぶ姿をお客に

見せなくちゃダメなんじゃないかな。ショップオーナーだって、

元は一人のミニ好きだった連中ばかりなんだから、初心に返るってことだよね。

長くショップをやっていると、もうツーリングはいいよなってつい思っちゃう。

でも、今日も新しいミニオーナーは生まれてるんだ。つまり、ビギナーは

期待を持ってショップに訪れようとしているわけなんだよ。そのことは、

北海道に移ってからオレも再認識させられた。スノボとか誘われるんだよ、

50歳のオヤジが。もちろん行くよ。そうゆう交流の中でミニの素晴らしさを

話すと、とても自然に伝わるんだよね。ツーリングに行くと、お客からは

オレがいちばんのやんちゃ坊主だっていわれるけど、とにかく楽しいんだ。

実際カラダはキツかったりする。もうオヤジだもの。でも、歳を取ったからって

照れたりせずに、一緒にイベントをやって、ミニが愛せるクルマだってことを

もっと語り合わなくちゃいけないよね。

いちばん言っちゃいけないのは、他のショップで買ったミニの悪口だ。

それって、自分に向かってツバを吐いているようなものだと思う。

人の悪口を聞きたいヤツなんていないよね。そんなんじゃお客は

離れて行くよ。人間は、明るくてプラス志向を持った者に引き付けられるもの。

お客にもいろんなタイプがいるからすべてのお客を理解できないかもしれないけど、

オレはプラス志向でありたいし、プラス志向の人々と楽しく過ごせれば

最高だよ。事実、明るいスタッフがいるショップは、大勢のミニオーナーが

遊びに来ている。立地条件じゃないんだよ。志向の問題なんだね。

もうひとつ問題を提起するとしたら、ショップの無個性化だな。

最近のショップは、オレが始めた頃に比べたら驚くほどキレイになった。

いわば日本独特のショップ文化だね。昔の例をもいだすと笑われるかもしれないが、

ミニショップ創世記は、オーナーの意気込みとかポリシーが店内に

むき出しになってたよ。オレが他のショップへ行ってもドキドキするくらいだった。

レアパーツならあの店、チューニングならあの人、レストアはあの工場と

いう具合に、特徴もはっきりしていた。これだけミニショップが増えた現在、

昔とまったく同じように専門色をはっきり打ち出すのは難しい面もあるけど

多いからこそ特徴を明らかにする必要があるんじゃなかろうか。

とにかく、どんなことがあっても避けなきゃいけないのは、ショップどうしの

いがみ合いだ。例えばミニ・ディ。あれだけのことは1軒だけでは

とてもできないけど、力を合わせればプロのイベント屋が驚くほどの内容になる。

もしも全国のミニショップがあるひとつの目標を持てたとしたら、ミニに

とって素晴らしいことが起きるんじゃないかな。これは夢の話なんだろうか。

我々がおつき合いしているパーツ問屋さんの倉庫ってすごいんだよ。莫大な

ストックなんだ。それを見てるとね、20年はミニに乗れるって勇気づけられる。

ローバーが現行のミニを中止したら、たしかに我々への影響は大きい。

でも、そう考える度にあのストックパーツの山と、問屋さんの意気込みを

思い出すことにしている。まだまだイケる。パーツをムダにしちゃいけないってね。

日本のミニ文化を舵取りしたいるのは、オレたちショップなんだと真剣に

考えているんだ。(つづく)